3月17日から台北市で開催された国際中医薬学フォーラムに参加するために訪台しました。2010年に日本中医学会と台北市中医師公会とで学術協定を結んで後、お互いの大会を訪問し合い学術交流を行うことになり、翌年の2011年から毎年3月に訪台してきました。今回、第8回目になりました。
ブラジル、マレーシア、カナダ、中国、香港、韓国などからも代表団が参加した大きな大会です。日本からも10数名の代表団を組織して参加しました。
大会終了後には、台中にある順天堂という漢方製薬会社の工場に見学に出かけました。順天堂は70年の歴史を持つ老舗の製薬会社でアメリカにも工場を持ち、アジア各地ヨーロパにも輸出しているそうです。生薬の残留農薬の検査や、本来の起源の生薬かどうかを調べるためにDNA検査なども行っています。安心安全、そして効能について相当力を入れていることが見て取れました。
台湾の漢方薬は、エキス剤を使うことが多く、日本との大きな違いは、単味という単一の生薬のエキス剤があるということです。数種類の生薬の合わさった方剤のエキス剤を基本にして、その人により合った薬を作ることができます。日本において、よく漢方処方に使われる生薬の中には、「薬」ではなく「食」として扱われるものが多くあります。もうじき、順天堂のこうした「食」の単味エキス剤30種類が、日本で売りだされるそうです。これは、とてもありがたいことです。例えば、ナツメや枸杞子は、血の足りない人、元気の足りない人、不妊で悩んでいる人に非常に良いのですが、生のものは食べにくいし、やはり残留農薬などが心配なのです。患者さんにもおすすめするのですが、安心安全のものが少なくて悩みの種でした。
今年も台湾の先生方とも多く交流出来て大きな収穫がありました。

