2010年09月08日

中医学と東洋医学の違い(1)

 本来、東洋医学とは、中国伝来の医療を指します。
5世紀ごろには朝鮮半島経由で中国由来の医学を受け入れていたようです。それから、遣隋使や遣唐使などで留学生が中国で医学を学んだり、江戸時代までは、人的交流がありましたので、中国と日本の医学は、ほぼ同じような状況であったと思われます。
 しかし、大きく違ってきたのが江戸時代から。鎖国の影響で人的交流が無くなり、書籍のみの交流となりました。中国で行われた医学は陰陽五行というう中国哲学の理論を基礎とするものでした。宇宙の成り立ちをどのように考えるかがこの陰陽五行ですが、人間もミクロコスモスなのだから、この理論で考えようというのが、中国の医学でした。
 しかし、そんな目にも見えないような世界感ではなく、もっと実際的な、治療をどうするかのみ考えようという動きが日本では生まれました。漢方薬の世界では、非常に優れた漢の時代の治療マニュアルである『傷寒論』をバイブルとする医学が中心となりました。
現代でよく知られている漢方処方のほとんどがこの傷寒論のものです。葛根湯や小柴胡湯などです。
(つづく)

posted by 院長 at 17:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 中医学
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